異様な中日ベンチ「やばくないか?」 物議醸した“代打三ツ間”…本人が語る真相
なぜ白羽の矢が立った? 「ロングティーは結構飛ばす」
「ベンチで待機してくれ」
そう指示され、ブルペンから異様な雰囲気が漂うベンチへ。白羽の矢が立ったのには理由があった。鈴木は打撃練習で鋭い打球を飛ばすことが少なく、橋本はまだ新人。三ツ間氏は筋骨隆々の体で「ロングティーは結構飛ばすんですよ」とパワーには自信があった。
予想通り京田は歩かされ、2死満塁に。一打逆転サヨナラの大チャンスで、投手から投手への「代打三ツ間」が告げられた。
マウンドには、守護神の石山泰稚。右打席に立ち、うまく気持ちを切り替えた。「抑えの人の球を直近で見る機会なんてない。どんな球を投げるのかまず見極めよう」。配球も考えながら、ファウルでなんとか食らいついた。しかし、結果的には空振り三振。七夕の願いは叶わなかった。
チームにとっては痛恨の敗戦だったが、奇しくも名前が広く知れ渡ることに。2021年限りで現役を引退し、開設したYouTubeチャンネルは“幻の打撃姿”も公開。Tシャツ化も実現した。「自分のことだけ考えるなら、いい経験にはなりました」。思い出しても少し苦笑いになる、まさかの大役だった。