「金本さんでさえヤジられた」 佐藤輝明を待つ試練、阪神で4番を務める難しさ

阪神・佐藤輝明【写真:荒川祐史】
阪神・佐藤輝明【写真:荒川祐史】

阪神OBの野口寿浩氏が4番・佐藤輝明を解説「阪神の4番は勝敗を背負わなければならない」

 阪神の佐藤輝明内野手が「開幕4番」へ猛アピールを見せている。11日の中日とのオープン戦(甲子園)で「4番・右翼」で先発出場し、初回の第1打席で先制の左犠飛。7回の第4打席では四球を選んで大量4得点を呼び込んだ。主軸として存在感を発揮する大卒2年目大砲について、球団OBで野球評論家の野口寿浩氏はどう見るのか。

 これも4番の威圧感か。2-1で迎えた7回1死一、三塁。佐藤輝は確実にボール球を見逃して四球を選んだ。続く大山の中前2点打などで1イニング4得点。バットを振ることなくビッグイニングを演出した。4番・佐藤輝へ高まる期待。たが、野口氏は「佐藤選手が悪いわけではない」とした上で、阪神で4番打者を務めることの過酷さを指摘した。

「大卒2年目の選手に4番を背負わせて大丈夫なのか。シーズン中はもっと厳しい攻めになります。その中でチームの勝敗を背負わなければならない。周りがしっかりケアをしてあげて欲しいと思います」

 本拠地の甲子園には熱狂的なファンが集まり、打てなければ容赦ない野次も飛ぶ。野口氏が阪神に所属していた頃は金本知憲氏が絶対的な4番として君臨していた。こう振り返る。

「あれだけ打って、チームの勝敗を背負っていた金本さんでさえ、ファンに野次られていました。『広島へ帰れ』と何回も。金本さんは鉄のメンタルだったのでケアの必要はありませんでしたが、当時は金本さんしか4番をできない気がしていました。佐藤選手も結果を出して自信をつけて、金本さんの域に達して欲しいと思います」

 ここまで佐藤輝はオープン戦8試合のうち7試合で4番に。持ち味の本塁打こそ出ていないものの、26打数8安打の打率.308、4打点と結果を出している。「ボール球を振らなかったり技術的なところは問題ないと思います。開幕後も結果で黙らせてほしい」と野口氏。佐藤輝が絶対的な4番打者として進化を遂げるのか。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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