「一度道を外れた人間」 清原和博氏、変わらぬ野球への思いに見出す“希望”

福島・白河市内で行われた特別講演会に出席した清原和博氏【写真:小林靖】
福島・白河市内で行われた特別講演会に出席した清原和博氏【写真:小林靖】

プロ野球復帰を待望する声も…「それは僕の口から言えないです」

 西武、巨人、オリックスで歴代5位の通算525本塁打を放った清原和博氏が13日、福島・白河市内で行われた特別講演会「復活!!その先へ…」に出席した。参加者からの質問コーナーでは「プロ野球監督ならどのチームか?」と問われ、「これはネットニュースになる。おまえが言うなって、また言われます。これはちょっと、あのすいません」と言葉を濁したが、約2時間の講演では野球への真摯な思いを感じさせた。

 小・中学生や保護者、指導者へ向けた講演会。「甲子園やプロの初打席くらい緊張しています。マイクも手も汗でいっぱい」という清原氏の口調は、徐々に熱を帯びていった。「緊張するのは当然。それをどうパフォーマンスに変えるか」「最後はどっちが強い気持ちを持っているかが勝負の分かれ目になる」。立ち上がって自ら技術面を説明するシーンも。球界を牽引したスラッガーの言葉の数々に参加者は熱心に聞き入った。

 質問コーナーでは「長く野球をやる秘訣は」「逆方向へ打つコツは」と野球絡みの“ド直球”な質問ばかり。司会者から「ファンはグラウンドでユニホームを着た清原さんに会いたいです」と言われた時も、清原氏は「それは僕の口から言えないです。すみません」と歯切れは良くなかった。それでもコロナ禍で500人限定とした会場は“満員札止め”。清原氏の入退場時は割れんばかりの拍手が送られた。

 2月にPL学園高の後輩・立浪和義監督率いる中日キャンプを訪問。清原氏にとっては、久々のプロ野球の舞台だった。「自分は一度道を外れた人間。なかなか球場に行けなかったんですけども、立浪監督、中日球団に感謝しかないです」と頭を下げた。今後の夢については「いつまでも野球に携わっていたいし、息子2人が野球をしてますので、息子たちとキャッチボールをずっとやり続けたいなと思います」と語るにとどめたが、もっと次世代の野球人へ伝えられることもあるはずだ。

 座右の銘には「辛抱」を挙げた。「辛抱は辛いを抱きしめると書くじゃないですか? だから辛いことを抱きしめようと思って生きています」と説明した。今後へ力強い言葉もあった。「人生で大失敗をしてますから。本当に何度でもやり直しはできると思います。過去は変えられないですけど、未来は変えられると思っている」。清原和博氏のNPB復帰を見たくなる講演だった。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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