辻監督が「レギュラー目前」と認める西武24歳 満塁弾よりも光る1つの四球
安打よりも四球を喜ぶ「僕は出塁率を上げないと…」
愛斗自身、昨年までと比べて最も成長できた点は「フォアボールを取れているところ」だと言う。「僕は出塁率を上げないと、試合に出られない。下位を打つことが多く、上位にはもっと怖い打者が待っているので、そこへチャンスでつなぐことを意識しています」と説明する。実際、オープン戦通算で4四球を選んでいる。1死球もあり、出塁率は.444を誇る。
プロ6年目の昨年は、自己最多の97試合に出場し、持ち前のパンチ力でプロ初本塁打を含め8本塁打を放ったが、打率は.219と確実性に課題を残した。今年は、高く上げていた左足をすり足に、後ろに残りがちだった体重を「前へ向かっていくように」修正するなど、打撃フォームを改良。右翼守備は“ゴールデングラブ級”と言われるだけに、本人も「僕には守備があるので、打てれば試合に出られると思っている」と言い切る。
西武の外野には、新外国人のオグレディがようやく来日し、売り出し中の昨年5月に左膝前十字靭帯損傷の大怪我を負った若林も、2軍で実戦復帰し調整中だ。DHと掛け持ちながら、ベテラン栗山の打棒も健在。金子、岸、高木らもひしめき、愛斗にとっては気の抜けない争いが続く。それでも、愛斗や鈴木の活躍に象徴されるように、山賊打線に世代交代の波が押し寄せていることは間違いない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)