中学時代は「めちゃくちゃ怠け者だった」 鉄人・鳥谷敬氏をプロに導いた思考法
重要なのは短期的な目標設定「今日やるべきことが見えてくる」
講演では、“目標設定”の大切さも語った。中学時代の鳥谷氏は、まだプロになりたいという思いは薄かった。「プロ野球選手というのがどういうものか、見たこともないし会えたこともなかったので、どれぐらいの能力、練習でプロになれるかという明確な目標がなかった」。本格的にプロを目指し出したのは早大進学後。身近にプロ入りするようなハイレベルな選手が多く、プロへの階段をイメージできるようになったという。
「大学生になって、これぐらいできたらプロに行けるんだな、その人がプロで活躍したら、これくらいのレベルまでいったらプロで活躍できるんだなというのを身近で見ることができて、明確な目標ができた」。そこから、自分がやるべきことを逆算して練習する日々が始まった。
大事だと語るのは、短期的な目標設定。「目標とか夢というのは実現するには時間がかかる。遠いところを見過ぎると、今日はいいや、明日やればいいかという考えになってしまう。それを1週間後とかに目標設定して細かく分けて考えていくと、今日やらないといけないことが見えてきます」。
NPB歴代2位の1939試合連続出場を果たし、「鉄人」と称されるようになったのも、毎日小さなことを積み重ねてきたからこそ。「1日24時間は、みんなに平等にある。その時間をどう使うか。上手く使った人が成功すると思っています」。継続は力なり――。誰よりも多く野球というスポーツに時間を注いできた鳥谷氏の“イズム”を後輩たちへ授けた。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)