イチローが口にした「アメリカンジョーク」 わずかな“間”に見えた孤独の意味【マイ・メジャー・ノート】第3回
イチローの現役引退から丸3年…「挑戦状」受け取っての質問
今日で丸3年。
イチロー外野手が引退を表明してから、3度目の春を迎えた。寒さの中でほころび始めた花が芳香を放つ2019年3月21日、マリナーズのイチローは東京ドームで行われたアスレチックスとの開幕第2戦に先発出場し、8回裏に守備に就いた直後に交代。それが日米合わせて28年の現役最後の姿であった。
試合後、待ち続けたファンの声援に応える形でイチローはドームを一周。その後に臨んだ引退会見は深夜まで及び、午前1時20分に終了。「Full-Count」を代表して参加していた僕は、85分の幕引き間際で質問の手を挙げた。追い詰められるような“前フリ”にもかかわらず……。
「何かきゅっとしたいよね、最後は」
一瞬、“ドキン”とした。“ドキッ”ではない――。これまでの取材で多少の免疫はできていたが、脈拍が上がる挑戦状を受け取れるのもこれが最後だという深謝の念が強かったからだろう。
聞きたかったのは、何度か漏らしたことがある「孤独感」だった。