元虎ドラ1が感じる暗黒時代の阪神との共通点 日ハムに必要な“亀新フィーバー”

新庄監督は「結果が出なくてもファンを増やしたい」と思っている、その根拠とは…

 ただ、オープン戦でも勝利を重ねているが「シーズンが開幕したら、勝ち続けるのは難しいかもしれない」と気になる点もある。若手の台頭だけでペナントで勝てるとは限らないことを、身を持って感じているからだ。それでも中込氏の中で、期待感は大きい。

「若手選手が突然チャンスを貰って、いきなり花開くことがある。そういうチャンスが貰えるのなら選手はみんな準備する。当時の阪神では、新庄や亀山がそうだった。若手選手が活躍すると、ベテラン選手でも不安になる。そしたらチーム全体が引き締まる」

 新庄監督がファンを大切にするのも阪神での“暗黒時代”を経験しているから。当時は観客動員数をV字回復させ、大きな歓声を浴びながら、プレーをする喜びを感じているからだった。

「結果が出なくても日本ハムファンを増やしたい、野球ファンを増やしたい、そういう思いが強いと思うよ。シーズンに入って勝てなくなって、(チーム内外から)文句が出てきても、自分の信念を貫き通すと思う。そうあって欲しい」

“ビッグボス”となったかつての盟友に思いを馳せながら、中込氏は新たなシーズン到来を待っている。2001年に阪神を退団した後は、台湾プロ野球・兄弟エレファンツで野球を続け、現役を引退した。その後、同球団や沖縄県内のクラブチームで監督を務め、2011年12月から阪神甲子園球場から徒歩1分の場所で「炭火焼肉 伸」を経営。新庄監督同様、ファンを創出するために何が一番大切かを考えて、日々、業務に当たっている。

 今年の交流戦では6月4日から阪神-日本ハム戦が甲子園で開催される。球場の熱気が伝わるこの場所から、活躍を願っていた。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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