鈴木誠也の覚醒に繋がった「ヘッドの使い方」 名伯楽が与えた本塁打増の“キッカケ”

2016年に29本塁打とアーチを量産、そこから6年連続で3割20本を記録

 付きっきりで教えたのは「右の腰を来たボールにぶつけていく」こと、そして、アッパー気味のスイングをイメージさせヘッドを動かす反復練習だった。これが少しずつ形になってくると、綺麗な放物線を描く打球が増え、同年は5本塁打を記録。新井氏はこの年限りで退団することになるが、翌2016年に鈴木はレギュラーを獲得し29本塁打とアーチを増産させた。

「飛躍するアイデアになったのかもしれません。私が退団してからも石井(琢朗)コーチも見てくれていた。彼自身も筋力を付け体も大きくなっていた。多くのことをプラスにして翌年の成績につながったんでしょう」

 2016年からは6年連続で打率3割20本をマークし、球界を代表する打者に成長。今シーズンはロックアウトの影響もあり少し遅れる形となったが、ついにメジャーの舞台に立つ。新井氏は「若くして中軸を打ったことで責任感も人一倍ある。明るくて現代っ子のような感じ、元気な好青年は変わらない」とエールを送る。

 昨年、ア・リーグMVPを獲得した同学年のエンゼルス・大谷翔平投手の存在も大きい。「メジャーで支えになるは大谷の活躍でしょう。パワーだって負けていない。『俺もやれる』と大きな目標になれるはず」。日本が世界に誇るのは大谷だけじゃない、2022年は鈴木誠也が全米に名を轟かせる番だ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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