開幕直前に交錯する西武の期待と不安… 今井にアクシデント、新助っ人は好投

西武・今井達也【写真:荒川祐史】
西武・今井達也【写真:荒川祐史】

今井達也が内転筋の張りで21日のオープン戦最終登板を回避

 開幕が直前に迫り、西武の先発ローテに不安と期待が交錯している。今井達也投手が右内転筋の張りを訴えて、21日に予定していたオープン戦最終登板を回避。その一方で新外国人のディートリック・エンス投手が、来日後初の実戦登板となった2軍戦で、4回6奪三振無失点と快投した。

 20日に本拠地・ベルーナドームで行われたヤクルトとのオープン戦後、辻発彦監督は今井の登板回避、その代役としてドラフト2位ルーキーの佐藤隼輔投手の先発を明言した。「(今井は)主治医に診てもらって、ちょっと炎症しているというので、無理をさせずに明日はやめておく」と説明した。

 西武の開幕ローテは高橋、ドラ1ルーキーの隅田、4年目の渡邊、今井、松本、與座の6人で固まっていた。今井は開幕2カード目の初戦、29日の日本ハム戦(札幌ドーム)での先発が見込まれているが、辻監督は「あと1週間様子を見る。最悪のことも考えて、佐藤に投げさせてみようかなと……」と話した。中継ぎで開幕1軍入りが見込まれていた佐藤。辻監督は「もともと、頭から(先発)も行けると想定していた」とした。

 一方で新外国人の左腕エンスと右腕バーチ・スミス投手も先発候補。新型コロナウイルス感染拡大による入国制限で来日が今月にずれ込んだが、エンスが20日に行われたイースタン・リーグのDeNA戦(横須賀)で先発し、4回1安打6奪三振無失点に抑えた。かといって、新助っ人を急きょ開幕ローテに入れる考えは辻監督にはないよう。「もう1回(2軍で)投げれば、4月の頭に(1軍に)来られる状態になるのではないか」と慎重に段階を踏ませる意向を示した。

 昨年10月に右足首を手術し出遅れている守護神・平良海馬投手も、19日と20日のイースタン・リーグ戦に連投。20日には1回3奪三振1四球無失点で、最速152キロを計測した。辻監督は「連投翌日の反応が大事なので、それを見てから考えるが、最も早ければ札幌(29~31日の開幕2カード目)にもどうかというところ」と見通しを明かした。

 有望な新人や新外国人を加え、充実感を増した西武投手陣では、開幕後も熾烈な“椅子取りゲーム”が展開されそう。42年ぶりの最下位から巻き返しを期すシーズンだけに、開幕から最高の陣容で好スタートを切りたいところだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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