「指導者人生で経験したことない」 日大三島・永田監督が驚く“成長スピード”

日大三島・永田裕治監督【写真:荒川祐史】
日大三島・永田裕治監督【写真:荒川祐史】

エースの松永は入学当初、投手の経験はほぼなく球速も120キロに満たなかった

 38年ぶりの勝利は挙げられなかったが、どこか誇らし気だった。第94回選抜高校野球大会の第3日(21日)2試合目で金光大阪に0-4で敗れた日大三島・永田裕治監督は「正直、まさかここまで来れるとは全く思っていないかった。感慨無量。生徒たちが連れて来てくれたと思っている」とナインたちを称えていた。

 試合は大黒柱のエース・松永が初回に3点を失うなど4失点。打線も散発4安打の完封負け。コロナ禍もあり大会直前に関西入りするなど、調整不足が響く形となったが「生徒たちはよく頑張ってくれた。負けたのは指導者の責任」と淡々と語った。

 2020年4月に就任した永田監督は、報徳学園時代の2002年に選抜Vを果たすなど、春夏通算18度の甲子園出場を誇る名将。わずか2年でチームを立て直し、昨秋は東海王者まで駆け上がった。

 敗れはしたが、選手たちの成長スピードは目を見張るものがある。エースの松永は入学当初は投手経験はほとんどなく、120キロにも満たない球速だった。「前任校(報徳)では少なからず生徒を集めていた。この2年生はまったく集めていない選手。投手経験ない子が甲子園で投げられている。指導者人生で全く経験したことがないことをやってくれている」と永田監督。

 報徳学園から日大三島にユニホームを変え、2017年春以来に聖地に返ってきた指揮官は「僕自身は全くない、教え子たちは違和感あると言っていたが」と振り返った。甲子園を知る名将はこのまま終わらない。「もう一回、1から積み上げて更に(チームを)作っていきたい」と、再びこの舞台に帰ってくることを誓った。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY