優勝は阪神、巨人は4位…今季は「ベンチワークが試される」 元虎捕手がセ順位を予想

野球評論家・野口寿浩氏【写真:荒川祐史】
野球評論家・野口寿浩氏【写真:荒川祐史】

「なぜか2年続けていい成績が残らない」 ヤクルトはジンクス心配?

 リーグV2を目指すヤクルトはどうか。野口氏は上位進出のキーポイントについて、「投手陣に何かあった時にカバーする選手が出てこられるかどうか」と読む。「奥川恭伸に高橋奎二も成長した。打線はいいチーム。ただ、中継ぎでフル回転した清水昇が欠けると一気に苦しくなる」。そしてチームのリーグ連覇は1992、1993年が最後。リーグ制覇した2015年の翌2016年は最下位。2位だった2018年の翌2019年も最下位に沈んだ。「なぜか2年続けていい成績が残らない。オープン戦も結果が出ていない」と不安を口にした。

 意外だったのが巨人の4位予想だろうか。野口氏はオープン戦で先発投手に少し不安を覚えたようだ。「山崎伊織、堀田賢慎、赤星優志、大勢と楽しみな投手が出てきている。ただ、若手は期待はできても当てにできない」。実績のある菅野智之や山口俊の奮起が不可欠と見ている。打線については「坂本勇人、岡本和真は例年通りの活躍。中田翔も最低20発は打つと思います」と予想。1、2番打者がキーポイントと読んでいる。

 中日は「先発投手はピカイチ。大野雄大、柳裕也の2枚看板は大きい」と見るが、「一にも二にも打線が鍵」と見ている。石川昂弥、ドラフト2位の鵜飼航丞(駒大)ら若手はまだまだ未知数。「ここを乗り切れば強いドラゴンズが帰ってくる可能性が高くなる」とAクラス入りのポイントを語った。

 広島は「鈴木誠也の穴は大きすぎると思います」と指摘。昨季首位打者に輝いた絶対的な打者だっただけに、最下位予想もやむを得ないところか。昨季、1年目から絶対的な守護神として君臨した栗林良吏の蓄積疲労も心配する。

 新型コロナウイルス感染対策で2020年は延長10回、昨年は日本シリーズ以外は9回打ち切りだったが、今季は延長戦を12回まで実施される。「いかに勝ちを拾いにいけるか。信頼して出せるリリーフが多ければ有利になるかなと思います。ベンチワークが試されることになるのではないでしょうか」と野口氏。セ・リーグの勢力図も大きく変わりそうだ。

【予想順位一覧】巨人はBクラス…野口寿浩氏が予想したセ・リーグの順位

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