「俺はタイブレークが嫌い」星稜・林監督、延長11回2死一、三塁で仕掛けた“奇策”

延長11回で勝利した星陵【写真:共同通信社】
延長11回で勝利した星陵【写真:共同通信社】

相手のミスを誘う重盗は「とにかく1点。どうやって取ろうか考えた結果」

 緊迫した展開も聖地を思う存分に楽しんだ。第94回選抜高校野球大会は22日、甲子園球場で行われ大会4日目・第2試合は星稜が延長11回、5-4で天理を下した。延長11回にスクイズ失敗も牽制球にわざと挟まれる“重盗”を成功させた林和成監督は「結果的にミスを誘って決勝点が取れて良かった」と、勝利を喜んだ。

「俺はタイブレークが嫌いだぞ」

 延長11回、林監督は攻撃に向かうナインに冗談っぽく言葉を送った。1死二、三塁から8番・佐々木優太(3年)がスクイズを失敗。それでも2死一、三塁で武内涼太(2年)が打席に入った場面では「打撃に期待するより走塁でかき回そう」と、一走・佐々木がわざと牽制球に挟まれる“重盗”を決行。一塁手の悪送球を誘い一気に2点を奪い勝ち越しに成功した。

 2死一、三塁の場面でいかに点を取るか。これまでの練習で想定してきた走塁でかき回す戦術が大舞台で実を結び「仕掛けて先手でいかないといけない。とにかく1点。どうやって取ろうか考えた結果」と胸を張った。

 星稜と天理の対戦は今回で3度目。前回は林監督が選手時代の1992年の春で、その時は1-5で敗れていた。30年ぶりの再戦でリベンジに成功した指揮官は「強豪の天理と素晴らしいゲームができたことは感慨深い。30年前のこともある。生徒たちが力出してくれたのが何より嬉しい」と振り返っていた。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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