支配下返り咲き呼んだ“足袋型スパイク” 鷹・藤井皓哉の足元支えた地元企業

藤井皓哉が履くラフィートのランニングシューズ【写真:福谷佑介】
藤井皓哉が履くラフィートのランニングシューズ【写真:福谷佑介】

四国ILの高知からソフトバンクへの加入が決まっていた12月にあった偶然

 藤井がこのスパイクを履くようになったのは、ちょっとした偶然からだった。高知でのプレーが認められ、ソフトバンクとの育成契約が決まった昨年12月のこと。堤尚彦監督のもとに1本の電話がかかってきた。「NPBに戻るにあたって道具の提供がなくて困っていて……」。このとき、堤監督の隣にたまたまいたのが「岡本製甲株式会社」の守安弘樹さんだった。

「堤監督から『スパイクない?』と尋ねられたので『作りましょう』と」と守安さんは当時を回想する。もともと同社は足袋型スパイクの製作を目指していた。守安さんと堤監督は以前から繋がりがあり、たまたま年末の挨拶のために、同校を訪れていたという。12月末に藤井が岡山に帰省した際にスパイクとシューズを手渡し、自主トレ期間で試してもらうことになった。

「足袋型のスパイクは人によって合う、合わないがあるんです。藤井選手に無理に履いていただくのはおかしな話だと思ったので、まずは履いてもらって、感想を聞かせてくださいとお渡ししました」。実際に履いてみた藤井からはすぐに好評をもらった。「すごくいい、これからも使いたい、と言っていただき、作らせていただきました」。今後、市販を目指すスパイクの先駆けとして作られた“武器”を携えてキャンプに臨み、アピールを続けて瞬く間に支配下登録まで駆け上がった。

「履くことで立った時に集中できる、次の動作に繋げられるとおっしゃっていました」

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