「魂を受け止めた」花巻東・佐々木麟太郎の幼き日の記憶 涙に隠された“決意”

試合後の会見で涙を浮かべた麟太郎「甲子園に戻ってきたい」

 速球に対する、わずかなスイングの遅れ。もともとは選球眼も長けているが、何度もボール球に反応する姿は、彼の心理状態と決して万全ではない打撃の状態を表していた。

「(手術から)焦りが多い中で、ここまでの状態に持ってくることはできましたが、対応力のなさ、センスのなさを痛感しています。不甲斐ない結果で、チームに貢献できなかった責任を感じています」

 涙を浮かべる麟太郎は、自戒を込めて「センスがない」という言葉を6度も並べた。そして、「足りない部分が多い」とも語るのだ。

 甲子園のデビューは、痛恨の極み。「打てなかった不甲斐なさ」もそうだが、チームとして勝利を掴めなかったことを悔いる。こぼれた涙は、幼き日に受け止めた魂への想い。そして、未来の自分に対する、強い決意の表れでもある。悔しさが滲む瞳の奥から絞り出した言葉がある限り、彼はまた成長した姿を見せてくれるはずだ。

「人一倍、練習して、人一倍、強い選手になって、甲子園に戻ってきたい」

 夢舞台から、リベンジの舞台に変わった特別な場所。幼い頃から思い描く「岩手から日本一」を胸に刻みながら、麟太郎は再び聖地に戻ってくることを強く誓う。

(佐々木亨 / Toru Sasaki)

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