OP戦最下位でも「原監督の考え通りに動けば優勝できる」 元参謀が明かすV予想の理由

巨人OBの岡崎郁氏【写真:中戸川知世】
巨人OBの岡崎郁氏【写真:中戸川知世】

原監督は「自分を俯瞰して見られるのかもしれない」

 危機に際して慌てず対処できる背景には、日頃からの観察眼もある。「選手個々を本当によく見ている。コンディション的なことに関して、コーチが気付かないことも把握していた」と岡崎氏は振り返る。

「内心どう思っているかはわからないけれど、追い込まれてもああいう振る舞いができる人を、僕は原さん以外に知らない。(父・貢氏との親子鷹で人気を博した東海大相模高1年時の)16歳からスーパースターだったから、長いキャリアのどこかで普通の人の感覚を超越して、自分を俯瞰して見られるようになったのかもしれないね」と推察する。

 今季も「原さんが考えている通りにチームが動けたら、間違いなく優勝できる」と岡崎氏。思い描いた通りにならなかったのが、昨季だった。昨季の巨人はシーズン終盤の10月、1引き分けを挟んで10連敗を喫してV争いから脱落した。幼児・小学生向けのジャイアンツアカデミー校長を務めたのを最後に昨年限りで巨人を退団した岡崎氏は「昨年あんな負け方をした以上、相当検証し、問題点はクリアになっているはず。今年はあんなことはないと思う」と太鼓判を押す。

 岡崎氏は現役時代にも巨人のレギュラー内野手として、「4番・原」とともにチームを牽引した。その“底力”は熟知している。「143試合の長いペナントレースで、どんなに強いチームもだいたい50敗はするし、どんなに弱いチームも50勝はする。残りの約40試合を何勝何敗でいけるかで、優勝と最下位が分かれる」とした上で、「目先の勝利にとらわれず、50回負けられることを前提に采配を振るえるのが名監督だと思う」。V奪回を目指すシーズンで原監督がどんな采配を見せてくれるか、注目される。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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