驚異の奪三振率、タイトル総なめ右腕… 今季も期待高まる2021年パ各球団の「勝ち頭」
山本は昨季最多勝、最高勝率、最多奪三振、最優秀防御率の“投手4冠”
○オリックス・山本由伸
山本は高卒1年目の2017年に先発としてプロ初勝利を挙げると、続く2018年にはリリーフに転向してブレイク。セットアッパーとしてリーグ2位の32ホールドを記録した。翌2019年には先発に再転向し、防御率1点台と前年を上回る快投を披露。自身初タイトルとなる、最優秀防御率に輝いた。2020年にはリーグ最多タイの149三振を奪った。
そして2021年にはまさに圧倒的な投球を見せ、最多勝、最高勝率、最多奪三振、最優秀防御率の投手4冠を達成。加えてリーグMVP、沢村賞、ベストナイン、ゴールデングラブ賞も獲得し、投手タイトルを総なめにした。23歳にして名実ともに球界を代表する投手となり、チームのリーグ優勝の立役者にもなった若き大エース。リーグの勝ち頭でもある若き剛腕の投球には、今季も熱い注目が寄せられるだろう。
○ソフトバンク・千賀滉大
千賀は2010年育成ドラフト4位でプロ入りし、2年目の2012年に支配下登録を勝ち取った。3年目の2013年に中継ぎとして奪三振率13.58という圧巻の数字を残してブレーク。2016年に先発に本格転向して以降はさらなる躍進を見せていく。2016年からは6年連続2桁勝利を継続中で、同じく6年続けて投球回を上回る奪三振数を記録。2017年に最高勝率、2019年に最多奪三振、2020年には最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の投手3冠に輝いた。
2021年は故障の影響で前半戦では2試合しか登板できなかったが、8月以降は11試合で9勝と驚異的なペースで勝ち星を積み上げ、シーズン最終登板の10月25日に2桁勝利に到達。苦しみながらもエースとしての貫禄を見せた昨季を経て、今季は開幕からフル回転での活躍が期待される。
山本由伸、高橋光成、小島和哉の3人はいずれも25歳以下とまだ若く、今後のさらなる伸びしろもありそうだ。一方で則本昂大、千賀滉大、上沢直之は20代後半から30代前半と、選手として脂が乗り切ってくる時期。今季も昨季と同等か、上回るような活躍が期待される。エースと目される投手は対戦カードの頭を任されることも多く、必然的に緊迫した投手戦を演じることも増えてくる。そんな中でチームを勝利に導き、エースとしての責務を果たすことができるか。今季も白熱の投球を見せてくれそうだ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)