「打てなかったら健ちゃんに申し訳ないぞ」 浦和学院が相手左腕を攻略できたワケ

九国大付対策で、ベンチ外の3年左腕を打撃投手に打ち込んだ

 冬の間は「自分のひと振りで試合の流れを変えてやるんだ、という気持ちを持ってほしい」と選手たちに訴えながら、ウエートトレーニングに加え、闇雲にバットを振り回すのではなく、木製バットを使用して「芯に当てる打撃」を追求させた。決勝弾を放った鍋倉は「木製バットで、自分のポイントで打つことを意識してきた成果が出たと思います」とうなずいた。

 紅白戦を多く行い、マシンではなく打撃投手の“生きた球”を打つことにもこだわってきた。準々決勝の相手が九州国際大付に決まると、相手のエース左腕・香西に投球フォームなどが似ていることから、今大会ベンチ外の綿引健将投手(3年)を打撃投手役に任命して打ち込んだ。森監督は「打てなかったら、しっかり投げてくれた健ちゃん(綿引)に申し訳ないぞ」とナインを鼓舞した。

 今大会では、この日の伊丹、鍋倉の他に、金田優太内野手(3年)、高山維月捕手(3年)も本塁打を放っている。どこからでも1発が飛び出す打線を作り上げた浦和学院が、2013年大会以来9年ぶり2度目の線雑制覇へ猛進する。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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