イチロー氏の“指導校”が2季連続で頂点に!? 国学院久我山が逆転で初の4強進出

準々決勝第3試合は国学院久我山(東京)が4-2で星稜(石川)に逆転勝ちを収め初の4強入り
準々決勝第3試合は国学院久我山(東京)が4-2で星稜(石川)に逆転勝ちを収め初の4強入り

勝ち越し2ランの下川辺「ここまで来たら結果を恐れずにやっていく」

 第94回選抜高校野球大会の準々決勝が28日、阪神甲子園球場で行われ、第3試合では国学院久我山(東京)が4-2で星稜(石川)に逆転勝ちを収め、春夏を通じて初の4強入りを果たした。昨年11月29日から2日間、イチロー氏(マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)から直接指導を受けたチームが、2季連続で全国の頂点に立つのか。

 打線は4回まで、相手先発の武内の前に無安打4四死球と沈黙していた。2点を追う5回、斎藤誠賢(3年)がチーム初安打を放ち、2番手で登板した相手エース・マーガードの失策で同点に。なおも2死二塁とし、4番の下川辺隼人(3年)が左翼席へ勝ち越しの2ランを放った。

 斎藤、下川辺はいずれも生還後、31歳の尾崎直輝監督の下へ駆け寄り、熱く抱き合った。尾崎監督は「彼らがタックルしてきそうな勢いだったので、受け止めた形です」と苦笑したが、31歳の若き指揮官と選手の信頼関係がうかがえるシーンだった。守っては先発の右腕・成田陸(3年)から左腕・渡辺建伸(3年)、さらに9回無死一、二塁のピンチでは左腕・松本慎之介(3年)につなぎ、3投手の継投でしのぎ切った。

 決勝弾を放った下川辺は、指導に訪れたイチロー氏が学校のグラウンドでフリー打撃を披露し、打球が右翼後方のネットを次々と越えていった光景を「常にバットの芯でとらえていた。低くて強い打球を飛ばしていて凄いと思いました」と振り返る。自身は「ホームランは公式戦3本目。練習試合を含めても10本くらい」と言うが、イチロー氏の打球の残像をなぞるように、広い甲子園のフェンスの向こうへ堂々と放り込んだ。

 今大会出場決定時は「選抜初勝利」が目標だったが、あれよあれよという間に3勝して準決勝進出。一昨年12月にイチロー氏から指導を受けた智弁和歌山は、昨夏の甲子園で全国制覇しており、イチロー氏の“愛弟子”による2季連続Vも現実味を帯びている。下川辺は「そういうことはあまり考えず、一戦一戦勝利を重ねていきたいです」と話しつつ、「ここまで来たら、自分たちがどこまでやれるか試すだけなので、結果を恐れずにやっていきたいです」とボルテージを上げた。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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