エースとの「心中」に見た本気の新庄采配 チームの核に据えた2011年ドラフト組

上沢と同期の近藤をほぼ未経験の「中堅手」で起用、野手の中心に

 一方で打線はつながらず、スコアボードには9個の0が並んだ。7回には1死二、三塁の好機を作りながら、近藤の一ゴロで三走のアルカンタラが本塁突入を自重、二走の清水が飛び出してしまい併殺を奪われるという、ちぐはぐなプレーもあった。それでも選手を責めることはない。前へ前へという気持ちを、最大限尊重している。

「ああいうミスが増えていくと、勝ち星にはつながらない。ただ次の塁にという気持ちはあったね。また話をして、学んでいこうと思う」

 新庄監督は開幕2戦目の26日から、3試合続けて近藤を中堅手として起用している。昨季まではほぼ、経験のなかった守備位置だ。指揮官自身が現役時代に守り、重要性を知り尽くしているポジションに経験の浅い選手を置くのは、チームへの影響力を信じてのこと。上沢と近藤の2011年ドラフト同期を、チームの中心に据えようとしているように見える。

 そして、若い選手の打順や守備位置を毎日のように変えるのも、また選手を信じているからこそ。未熟な選手に眠る無限の可能性を、引き出そうとしているのだ。

 エースに託した試合も、白星には結びつかなかった。現役時代、壮大なパフォーマンスを敢行した試合はほぼ勝ちに結び付けていた指揮官が、誰より悔しかったはずだ。それでも「選手が懸命にやっての結果だから。まだ始まったばっかりや」と言葉は前向きだった。「結果を出せなければ2軍」と厳しさを突き付ける一方で、ビッグボスには間違いなく、選手を信じぬこうとする“情”もある。

(羽鳥慶太 / Keita Hatori)

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