近江・山田、延長11回170球の舞台裏 左足負傷も志願「自分がエース、譲るつもりない」

近江・山田陽翔【写真:上野明洸】
近江・山田陽翔【写真:上野明洸】

死球を受けた左足の状態は「痛みはないと言えば嘘になるが、自分がエースなので」

 第94回選抜高校野球大会は30日、阪神甲子園球場で準決勝が行われ第1試合は近江が延長11回、5-2で浦和学院にサヨナラ勝ちし初の決勝進出を果たした。左足に死球を受けながら、痛みに耐え170球を投げ2失点完投のエース・山田陽翔(3年)は「自分がエースなのでマウンドは譲るつもりなかった」と志願の続投だったことを明かした。

 山田は5回2死一、二塁で迎えた第3打席で左足首付近に死球を受け、その場で悶絶。治療のため一度ベンチに戻ったが、6回は足を引きづりながらもマウンドに上がり続投。その後は無失点に抑え11回7安打10奪三振、2失点の力投を見せた。

 試合後は清々しい表情を見せながら「日本一なのであと1勝まできたのでチーム一丸で頑張りたい」と笑顔。足の状態を問われると「痛みはないと言えば嘘になるが、自分がエースなのでマウンドは譲るつもりない。(監督にも)いかせてくださいと言った」と振り返っていた。

 グラウンドでもナインを鼓舞しエース、4番、主将としてチームを牽引し「そこは自覚している。自分が折れてしまったらそのままチームがズルズルいく。自分は折れたらいけない」と力強く語った。

○近江・山田の今大会全投球

初戦 20日・長崎日大戦 延長13回7安打10奪三振、2失点 165球
2回戦 25日・聖光学院戦 9回5安打2奪三振、2失点 85球
準々決勝 28日・金光大阪戦 9回8安打10奪三振、1失点 127球
準決勝 30日・浦和学院戦 延長11回7安打10奪三振、2失点 170球

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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