名将が「天性のリーダーシップ」と絶賛 168センチの大阪桐蔭主将の統率術

試合終了後、近江・山田と誓った“再戦”

 超名門チームをまとめる立場になった星子自身は当初、「チームメートに強く物を言えない」と悩むこともあった。しかし最近では「どうやったら相手に伝わるかを考え、強く言うよりも、一緒にやろうと巻き込んでいくこと、その言い方が大事だと思いました」と自分なりの統率術を身に着けつつある。

 今大会ではもっぱら下位の7番を務めたが、.375(16打数6安打)の高打率をマーク。準々決勝では右中間へ3ランも放った。西谷監督は「自分の事よりチームの事を優先し、フル回転で頑張ってくれました」と感謝するが、そんな星子にも個人的に甲子園でやりたかったこと、やり残したことがある。

 決勝戦終了後、星子は相手の近江のエース兼主将で、左足の怪我を抱えながら力投した山田陽翔(3年)へ「ナイスピー! 夏にまた勝負しよう」と声をかけた。山田も「夏やな」と応じたという。星子は2回無死一塁で迎えた第1打席では、サイン通り初球を送りバント。3回に第2打席に立った時には、山田は既に降板していたため“再戦”を誓い合った。

「今年の夏に春夏連覇を目指せるのは自分たちだけなので、(大阪桐蔭にとって)3回目の春夏連覇を目指してやっていきたいです」と言い切った星子。チームも自分もレベルアップさせ、必ず甲子園へ戻ってくる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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