二刀流は「自分にとって当たり前」 日体大のドラ1候補・矢澤が春初戦で見せた進化

3年春に苦しんだ打撃で手ごたえ「下を叩けば長打になる」

 全国各地からハイレベルな選手が集まる首都大学リーグ。体への負担も考慮して、投打二刀流を解禁したのは昨年になってから。3年春のリーグ戦では、投手として防御率0.90、2勝を挙げる一方で、打率は.182と低迷。強引にスイングしてしまったことで「次の日に疲労が残ってしまうことがあった」と難しさを感じた。

 そこでテーマに挙げたのが「コンタクト率の上昇」。投手としての練習もあり、打撃練習の時間が短い中、ティー打撃を中心に「素直にバットを出すことを意識していきました」という。外角に対しては、逆方向に力強く打つことができ、秋には打者としても打率.300をマークすることに成功した。

 そして、この春、矢澤はさらなる成長を見せている。「どちらもやる感覚はわかってきた」と、オープン戦では本塁打を量産。この日の4安打は全て単打だったが、「下を叩けば、打球が上がって長打になる」と手ごたえも感じている。古城監督も「考えることができる子」と評価する。目指すは最優秀投手と首位打者だ。ひたむきに取り組む姿勢が、春を迎えて少しずつ結実してきている。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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