「分かっていても打てない」巨人スカウトも目を見張った“二刀流ドラ1候補”の進化

日体大・矢澤宏太【写真:伊藤賢汰】
日体大・矢澤宏太【写真:伊藤賢汰】

クロスファイアに巨人・内田スカウト「ベース上でのキレがある」

 身長173センチの体がマウンドでは大きく見える。投打二刀流で今秋ドラフトの“目玉”として注目を浴びる日体大・矢澤宏太投手が2日に開幕した首都大学春季リーグで躍動した。2日の桜美林大戦は「3番・投手」で5回を1安打6K無失点&4打数4安打。翌3日の同カードには「4番・DH」で出場し、1号を含む3打数3安打をマークした。左腕がこのオフに取り組んでいたのは直球の“質”を磨くこと。視察したNPBスカウトは「分かっていても打てない」と評価した。

 矢澤は昨年から本格的に二刀流に取り組み、秋季リーグでは投手で3勝、打者で打率.300をマークした。更なる進化を目指し、投手としてオフに掲げたテーマは「分かっていても空振りやファウルが取れるストレート」を投げることだった。

 キャッチボールから低い弾道で投げることを意識。ブルペンでも直球を「60球のうち60球全て投げていました」とこだわった。オープン戦では、相手が直球狙いと分かっていても「敢えて(直球を)投げていました」と明かす。

 2日の桜美林大戦では「力を抜いて投げていた」というが、初回から149キロを計測した。3回には自己最速タイの150キロをマーク。相手打者のバットを折るシーンが複数回あった。

 ネット裏から視察したNPBスカウトも高く評価した。昨年から「投手・矢澤」を追う巨人・内田強スカウトは「春先から直球で押してきている印象」と説明。特に右打者の内角をえぐるクロスファイアが進化しているという。「ベース上での伸びがあり、球速以上にキレがある」。左投手ならではの軌道は「分かっていても打てないと思う」と絶賛した。

 身長は173センチと決して高くないが、内田氏は「これだけの球を投げられるパワーがある。天性のもの」と語る。直球以外に2種類のスライダーを操り、チェンジアップやフォークも交えていたが、あくまでベースは直球。大学野球ではほとんど例のない二刀流に取り組む左腕は「投手としても打者としてもドラフト1位」を目指し、貪欲に成長を目指す。

【動画】打者のバットを真っ二つ! “二刀流”矢澤がOP戦で投じた剛速球

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