開幕8連勝のソフトバンクはやっぱり層が厚い? 緊急事態を救った“初登板トリオ”

1軍実績のあるリリーバーが2軍にいても、救援陣は驚異の安定度

 ここまで来れば、あとは盤石の“方程式”がいる。この日はモイネロがベンチを外れていたものの、左打者が続いた6回を嘉弥真、7回を津森、8回を又吉で繋ぎ、9回は守護神の森がきっちり締めて早くも6セーブ目。藤本博史監督も「初登板は緊張するし、思った通りにできないことはある。津森もいいし、6回からは安心して見ていられる」と、8投手のリレーで逃げ切った投手陣を称えていた。

 これで開幕から8連勝。この8試合で最も失点したのは3月27日の日本ハム戦の4失点で、あとの7試合はすべて3失点以内に抑えている。特にリリーフ陣はわずか3失点しかしておらず、救援防御率1.00と驚異の安定感を誇る。しかも、この日はここまで接戦続きで登板機会に恵まれなかった尾形、田浦が初登板で好投。8連勝の中でも、この1勝が持つ意味は大きい。

 ソフトバンクは先発で武田翔太投手や笠谷俊介投手、リリーフでも甲斐野央投手や高橋純平投手、高橋礼投手、泉圭輔投手らが故障や不調でファームにいる。1軍実績のある選手たちが2軍にいる中で、選手層に一抹の不安もあったが、この日の尾形や田浦のように、蓋を開けてみれば、盤石も盤石。中盤までにリードすれば逃げ切れる、という雰囲気がグラウンド上に感じられる。

「僕は雰囲気づくりだけ」という藤本博史監督も「ベンチは明るいムードですよ。マッチも声を出してくれているし、今日は真砂がいきなりヘッドスライディングして盛り上げてくれて、そこに森山コーチが輪をかけて元気を出すんで、すごくいいと思います」と、チームの空気の良さを口にする。緊急事態を乗り越えて、連勝街道を走り続けるソフトバンク。球団記録の開幕10連勝が、あと2つに迫ってきた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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