電子機器での“サイン交換”を機構が承認 現場は歓迎「野球が正しい方向に」
MLB219勝のグリンキー「帽子の中に機器を入れるが気にならない」
メジャーリーグ機構は5日(日本時間6日)、捕手から投手に信号を送る電子機器「PitchCom(ピッチコム)」のレギュラーシーズンでの使用を許可し、各球団に伝えた。昨季1Aで試験的に導入、このオープン戦でも運用され、選手らに好評だったことから選手会が使用を承認していた。MLB公式サイトが伝えている。
「ピッチコム」によるサイン伝達は複数の言語でできる。球種を他の暗号に置き換えて伝達できるようプログラミングすることも可能だといい「サイン盗み問題を解決する方法の1つとも考えられている」と記事は説明。ロッキーズのピッチング・オペレーション・ディレクターであるスティーブ・フォスター氏は「他の人に知られることなく投手にサインを伝える一助になるなら、(野球が)正しい方向に向かっているということ」と好意的だ。
選手の反応も良好。ロイヤルズの通算219勝右腕ザック・グリンキー投手は「帽子の中に機器を入れるが気にならないレベル。音声もしっかり聞こえる。これまでずっと目でサインを拾っていたから(耳で聞くという)違いに慣れないといけない」と語る。
レイズのマイク・ズニーノ捕手は「試合のペースがかなり上がると思う。投手が(捕手の)サインを覗き込む必要がなくなることで、その数秒を体のリカバリーに回すことができる」と指摘。サイン盗み防止に加え、試合時間短縮や、投手に有利に働く点もあると見解を示している。