秀才軍団・京大が説く「弱者が強者に勝つ方法」 プロ経験監督と野球未経験者の“融合”
勝負の第3戦目では正捕手の愛沢祐亮(4年)がリーグ戦初登板初先発で4回無失点
関大と1勝1敗で迎えた4日の第3戦(わかさスタジアム)。勝ち点をかけた重要な1戦で先発マウンドに上がったのは正捕手の愛沢祐亮(4年)だった。横手投げから130キロ台の直球、カーブを駆使し関大打線を4回まで2安打無失点に抑える好投。5回からはマスクを被り2投手をリードすると、打っても3安打1打点で4-2の勝利に貢献した。
捕手と投手の“二刀流”は奇襲のように見えるが近田監督はそれを否定する。練習試合などで登板させながら、三原アナライザーと何度も議論を重ね第3戦での起用を決めていた。「指導者の意見が全て正しいわけじゃない。責任感を持って皆が役割を全うしてくれている。準備の成果が出た、チーム全員での勝利」と近田監督。入念な準備と分析が功を奏し3年ぶりの勝ち星を手にしていた。
関大から勝ち点を挙げたのは1982年秋以来で、40年ぶりとこれまた歴史的な勝利だった。ここまで3季連続最下位だった京大は会心ののスタートを切ったといってもいいだろう。
「このチームに来た時から戦力の差は意外と無いなと感じています。選手たちには、やるからには優勝を目指していこうと言っています」
個々の戦力を見れば、まだまだ他大学との力の差は大きい。それでも、限られた時間の中でチーム力を上げ“戦う集団”に変貌を遂げた京大。春季リーグ戦では台風の目となり、ライバルたちに立ち向かう。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)