好きな日本語は「高田馬場」 7連敗の西武救った新助っ人、“瞬間三重殺”に大興奮
85球を投げ直球と得意のカットボールが大半、本来の球速取り戻せるか
主砲の山川、森を故障で欠き、連敗地獄に陥っていたチームにとっては、救世主となる可能性がある。ただ、辻監督が「相手にしてみれば、映像やデータを見ていたとしても、実際に打席に立った感じは全くわからず、的を絞りづらい面があったと思う」と指摘した通り、この日に限ってのアドバンテージもあった。
85球中、ストレートが47球(55.3%)、得意のカットボールが29球(34.1%)。この2球種が大半を占めた。その他にはカーブを7球(8.2%)、チェンジアップを2球(2.4%)投げたのみ。“最速156キロ”を誇るが、この日はまだ149キロどまりで状態は上がってきそう。レイズに所属した昨季はメジャーで9試合に登板し、計22回1/3で25奪三振をマーク。来日後のイースタン戦でも2試合計8回で、イニング数を上回る10三振を奪っていたが、この日の奪三振は1。球種の配分が変わらないとすれば、速球が本来のスピードを取り戻せばさらに頼もしくる可能性も高い。
来日直後から積極的に日本語を勉強。「少しでもしゃべれれば、チームメートも僕に話しかけやすくなるだろうからね」とうなずく。お気に入りの日本語は「高田馬場(たかだのばば)」で、「発音が面白いね。高田馬場駅で降りたことはないけれど、乗り換えたことならあるよ」と笑わせる。
西武投手陣は長年“左腕不足”に悩まされ、昨季左投手が挙げた勝利数はわずか2(内海、浜屋が1ずつ)だった。しかし今季は、ドラフト1位の隅田、同2位の佐藤、エンスが既に先発で1勝ずつ稼ぎ、早くも昨季を上回る3勝。チームの5勝中、過半数を占めている。このまま左腕が機能すれば、故障中の野手陣の復帰も相まって、西武はまだまだ上位を狙えそうだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)