鈴木誠也の1号で敵将は“警戒ライン”引き上げ 「次はもっと情報を持って臨みたい」
11日のブルワーズ戦で左中間スタンドへ豪快弾
■ブルワーズ 5ー4 カブス(日本時間11日・シカゴ)
カブスの鈴木誠也外野手がメジャー初本塁打を3ランで決めた10日(日本時間11日)の試合前、相手のブルワーズ指揮官は鈴木攻略に自信をのぞかせていた。
ブ軍のクレイグ・カウンセル監督に、昨季広島で38本塁打を放っている鈴木を見た率直な感想を聞いた。
「まだ2試合だけど、確かにいいバッターだと思った。ここでも本塁打を多く打てる打者になっていく能力を持っていると感じた。でも、当分は初対決の投手ばかりになる。時間が必要だね。彼は右打ちが巧いから、今日の先発ペラルタもいろいろ考えていると思う。ホームラン? 今日はどうかなぁ……」
昨季、球宴に初選出され、晴れの舞台で1回を3者連続三振に仕留める快投を演じた25歳の右腕ペラルタに、カウンセル監督は鈴木斬りの期待を寄せていた。しかし、1回裏の第1打席で鈴木にメジャー第1号先制3ランが飛び出した。カウント3-1からの甘く入るスライダーを鈴木は狙っていた。
「カウントが整っていたので、ある程度この球が来たら振りたいなというのはあった。その通りしっかり捉えることができたのでよかったです」
右打者にはホームラン風が舞っていた本拠地の左中間スタンド中段への豪快弾は、ペラルタの外角一辺倒の消極的な投球があだになった。
試合後、カウンセル監督は地元記者にこう語っている。
「日本のリーグで結果を残した選手はここでも成功を収めることができる。でも今は彼にとっても、我々にとっても、いろいろ探っている時期だ。次に対戦するときは、もっと情報を持って臨みたい」
開幕シリーズ3試合を締めくくる鈴木誠也の会心の一発で、同地区最強チームを率いる指揮官の警戒心は一気に高まった。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)