先発の役割果たす5回2失点も… 西武・辻監督がドラ2左腕に苦言を呈したワケ
指揮官が求める高いレベル「際どいコースで勝負できるように」
一方、西武の先発はドラフト2位ルーキーの佐藤。ドラフト1位の隅田とともに開幕ローテに名を連ねた左腕は、3月29日の対戦(札幌ドーム)では日本ハムを5回無失点に抑え、プロ初登板で初勝利を飾っていた。しかしこの日は初回に3連打で先制点を奪われると、4回にも1死三塁からヌニエスに149キロの速球を左前に弾き返され、適時打とされた。
5回5安打2失点で降板し、今季2敗目(1勝)を喫した佐藤の投球内容は、先発として最低限の役割は果たしたと言えるだろう。それでも、辻監督はあえて成長を期待し「点の取られ方がちょっとね。加藤と違って、ストライクを先行して投手有利のカウントを作ることができていなかった」と、相手投手を引き合いに出して苦言を呈した。
指揮官は続けて「追い込んだ時に、勝負球が際どいコースへ行かず、明らかにボールというコースに投げて見逃され、徐々にカウントを悪くしていった。そうなると四球を出したくないから、どうしても制球は甘くなる」と説明。「“はっきりしたボール球”を減らして、際どいコースで勝負できるように、もっと意識を持たなければいけない」と、より高いレベルを求めた。
西武は昨季最終盤に日本ハムに抜かれ、そのまま42年ぶりの最下位に終わった。覇権奪回を誓って臨んだシーズンだけに、主砲の山川、森を故障で欠く窮状とはいえ、昨季の二の舞いを演じてはいられない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)