今季チーム4敗中3敗を喫する守護神 鷹・森唯斗、データにも表れる“異変”

32セーブをマークした2020年からファストボール系は軒並み球速が低下

 例えば32セーブをマークした2020年のストレートの平均球速は147.7キロだった。それが今季は143.4キロと4.3キロも低下しているのだ。同様にカットボールは145.7キロ(2020年)から142.3キロに、ツーシームも147.3キロ(2020年)から142.0キロになっており、ファストボール系は軒並み球速が大幅に低下している。

 ただ、この傾向は今季、突然始まったものではない。森は昨季途中に左肘関節化膿性滑液包炎で離脱し、手術を受けたこともあって、4か月超にも及ぶ長期離脱を強いられた。9月に1軍復帰を果たしたものの、離脱前は148キロ前後だったストレートの平均球速は4キロほど低下。オフを経て迎えた今季もそれが続き、球速が戻ってきていない。

 森はダイナミックな投球フォームでありながら、実は安定したコントロールに定評がある。とはいえ、本来のスピードとキレが戻ってなければ、安定して抑えることは難しくなる。ここまで接戦が多く、16試合中11試合で森を起用してきた藤本博史監督は「投手コーチと話します」と今後の起用法について明言を避ける。守護神として使い続け復調を待つか、それとも配置転換に打って出ることになるか。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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