鈴木誠也に備わるメジャー成功の“資質” 球団OBの解説者が称える「闘志」
球団OBのロン・クーマー氏「ボールを待てていることが強み」
「この1週間、セイヤを超える選手は他にいません。右方向への巧打も何本も見ました。内野安打を稼ぐ足もありますし、守備範囲も広く肩も強い。野球センスにあふれた選手ですが、忘れてならないのが“闘志”だと思います」
ツインズ時代には5年連続2桁本塁打を記録し球宴にも選出されたクーマー氏は、マイナーで8年を費やし95年にメジャーデビュー。苦労人らしいその目線で言葉を継いだ。
「結果を残さなければ周囲の目は遠くなり消えるのみというプレッシャーはきっとあると思います。メジャーの舞台に上がり続けるためには、ドラフトでの上位指名だとか高額契約だとか、またどこの国から来たとかは関係のないことです。彼なら心配はないでしょうね」
そして、“心配はない”という根拠をこう示した。
「どんなボールにもバットとの距離がしっかりと取れて最大限の力をぶつけられる。言い換えれば、タイミングを上手く取りボールを長く見ることができていることです。そして、足、腰、肩と連動する体の左側(投手寄り)がまず開かないこと。ボールをしっかりと待てていることがセイヤの強みだと僕は思っています」
淀みなく話すクーマー氏の頬が緩んだ。
「セイヤがカブスに来て本当によかった」
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)