NPB復帰は「100%ない」 “近鉄最後の投手”が独立リーグで投げ続ける理由

ヤクルト首脳陣から伝えられた感謝「ルーティンを若い選手たちが踏襲している」

 2つ目は、現役続行を可能にしてくれている球団への貢献。「独立リーグの選手は基礎が全くない。チーム内でまだ僕は良い球を投げられる方なので、チームのためになるのであれば投げます」と、今年も勝利の方程式を担う覚悟でいる。そして3つ目は「NPBへ戻れる可能性があるから」。紙一重の可能性に賭け、近藤は大舞台のマウンドに再び立つ日を諦めてはいない。

 ヤクルトが昨季20年ぶり6度目の日本一に輝いたことが、メンタル面にも良い影響を与えていた。祝福のために首脳陣へ連絡すると「ルーティンを若い選手たちが踏襲している」と感謝されたという。投手陣ではベテランの石川に加え、奥川恭伸や高橋奎二ら若手が頭角を現し、2年連続最下位から頂点へ駆け上がった。「僕がやってきたことは間違いじゃなかったんだと思えた」と、残してきた功績に胸を張る。

 ヤクルトの坂口智隆を含めて、残り2人となった現役の近鉄出身選手。四十路が迫ってきつつある猛牛戦士の闘姿が、1日でも長く球史に刻まれるよう願っている。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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