大苦戦の阪神、反撃への“2条件” OBが「どん底は脱しつつある」と語る根拠

阪神・矢野燿大監督【写真:荒川祐史】
阪神・矢野燿大監督【写真:荒川祐史】

新型コロナから復帰の青柳、西勇が「先発ローテ表裏の軸」

 このまま沈みゆくだけなのか――。開幕から1か月が経ち、阪神は26戦を終えて5勝20敗1分で“借金15”。首位・巨人には12.5ゲーム、5位のDeNAにさえ6ゲームの大差をつけられ、下位に低迷している。それでも、現役時代に阪神、ヤクルトなど4球団で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「どん底は脱しつつある」と強調。浮上の兆しを見出し、巻き返しの条件を挙げた。

 いきなり開幕9連敗を喫して不名誉なセ・リーグ記録を更新し、苦しいシーズンが始まった。しかし20敗中、1点差負けが半数の10を占め、2点差も3試合。無残な大敗を喫しているわけではない。最近9試合に限れば、4勝5敗とそこそこ健闘。最近4試合で6盗塁と量産し、今季チーム盗塁数はリーグ最多で唯一2桁の14に上っている。野口氏が「だいぶ落ち着いて、普通に戦える状態。大型連敗中と違い、作戦にも動きが出てきました」と評するゆえんだ。

 いったん開幕投手に指名されながら、新型コロナウイルスに感染して回避した青柳晃洋投手は15日の巨人戦で戦列復帰すると、以降は2戦2勝、防御率0.53と安定。西勇輝投手も今季4試合で1勝1敗ながら、リーグ2位の防御率2.00をマークしている。野口氏は「先発ローテの表裏に1本ずつ軸ができたのは大きい」とうなずく。

 果たして、ここから順位を上げていくことは可能なのか。野口氏は「現在やむなくクローザーを務めている岩崎(優投手)を、本来のセットアッパーへ戻せるかどうかが、第1の鍵だと思います」と見る。岩崎自身は今季8試合に登板して4ホールド2セーブ、防御率1.23と申し分ない成績を残しているが、一方で7、8回を担う投手が決まらない。

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