本当は2軍戦に出るはずだった? 鷹・藤本監督はなぜ柳田を“見切り復帰”させたか
柳田が打線にいることで相手にかかる重圧は大きくなる
柳田の存在はチーム全体、さらに言えば、相手に与える影響も大きい。たとえ状態が悪くとも、そこは球界最高の打者の1人。相手バッテリーは警戒するし、打順の中で「柳田」の名前があるだけでもプレッシャーがかかるというもの。指揮官も「相手も嫌でしょうし。状態は完璧とはいえないけど、徐々に出ながら上げていってくれたら。こっちもありがたいんでね」と語る。
第1打席、第2打席と西武先発の佐藤隼の前にタイミングが合わずに連続三振に倒れた。ただ、打席の合間もミラールームに行き、鏡の前で自身の打撃フォームをチェックし、打席ごとに少しでも修正しようと努めていたという。第3打席で復帰後初安打となる右前安打も飛び出し、藤本監督は「DHだからずっと鏡の前でバット振ってましたよ。結果出ましたから、本人もホッとしてるんじゃないですか」と語っていた。
この日、先制点につながる三塁打と追加点を挙げる2ランを放ったグラシアルも「柳田が打線に入ることでチームもまとまる」とその効果を口にする。打つ、打たない以上に、柳田悠岐という男が打線にいることが、ソフトバンクにとって、そして相手にとって大きな影響を与えるのだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)