オリックス吉田正尚はどこが凄いのか “3年連続首位打者”目指す男の打撃を解析
9つのストライクゾーンと低めのボールゾーン全てで打率.250以上をマーク
次に、21年に記録した投球コース別の打率を見る。ストライクゾーン内の9コースはいずれも打率.250以上を記録。特にど真ん中は.472、真ん中高めは.444と高打率を残している。一方、真ん中低めは.267、外角低めは.257と、他のコースに比べればやや低い数字になっている。内角真ん中も.270と多少数字を落としているが、内角高めは.440、内角低めは.444と周辺のコースはいずれも高打率を残している。外角も高めが.300、真ん中が.377で、高く浮けばヒットにする確率は高くなる。
ボールゾーンも高打率のコースが多く、特に低めは5コース全てで打率.250以上。ボールゾーンに落ちる球への強さは、三振の少なさにもつながっていると考えられる。弱点らしい弱点が存在せず、ボール球でも痛打し、冷静に四球を選ぶ。吉田正を打ち取るのが至難の業であることが分かる。
球種別の打率では直球、フォーク、カットボール、カーブ、スライダー、ツーシーム/シンカーの6球種に対して打率.310以上をマーク。特にフォークに対して打率.439と強さを発揮している。逆にシュートは.231、チェンジアップは.152とやや苦手としているようだ。
ストライクゾーンならどこでも4回に1回は安打にするだけでなく、ボールゾーンですら安全とは言えない。球種の面でも穴は少なく、指標の面でもほぼ理想的な数字が残っている。吉田正選手の完成度の高さは、今回取り上げた各種の成績にも示されている。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)