大谷翔平、魔球スライダーなくても2勝目 5回2失点粘投を支えた打者心理と修正力

5回2失点で2勝目を挙げたエンゼルス・大谷翔平【写真:AP】
5回2失点で2勝目を挙げたエンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

最速159キロを軸に5回2失点で今季2勝目「最低限の回は投げられた」

■エンゼルス 9ー5 ガーディアンズ(日本時間28日・アナハイム)

 圧倒的な勝負球がなくても……。エンゼルス・大谷翔平が投手としての幅を見せた。スライダー、スプリットにキレがなく最速159キロのフォーシームを軸とした投球。初回にラミレスに先制2ランを被弾し、2、3回と得点圏に走者を背負ったが、86球のうちフォーシーム49球と攻めの投球で試合を作った。

「球数も多かったですし、ランナーもそれなりに出ていたので、なかなか苦しかったですけど、最低限の回は投げられた。そこは唯一いいところかなと思います」

 日中は真夏のような太陽が降り注ぐアナハイムも試合開始時の気温18度。肌寒さを感じたこの日は立ち上がりこそ苦しんだが、4、5回と3者凡退。5回5安打2失点まで投げ切った。マドン監督は「序盤は変化球に少し頼りすぎていた。速球を使って積極的になってからは良くなっていった」と修正力を称賛した。大谷は「3回ぐらいから体の動きが良くなって、温まってきて、いい動きが多かった。こういう気温の時は入りが一番大事かなと思います」と反省を忘れなかった。

 フォーシームと共に効果的だったのがカーブだ。打者の目線を外す遅球を10球投じたが、これには二刀流ならではの打者心理が働いた。「わざわざカーブを狙う打者というのは少ないと思う。いつでもストライクを取れるボールが1個でも多くなれば、それだけ幅は広がるかなと思います」と振り返った。

 前回20日(同21日)の敵地・アストロズ戦でキレキレだったスライダーは投げなくても生きた。「スライダーケアは特に右打者は多かった。途中から真っ直ぐでどんどん攻めようと」。6回12奪三振1安打無失点とインパクト抜群だった前回登板の残像を生かした投球となった。

 前回登板からグラブをお腹の前にセットして投球。このフォーム変更は「癖ですね。一番は」と敵軍対策のためだという。チームで唯一、開幕から全19試合出場。「ありがたいなという感じです。調子がそこまで良くない中で、ずっと信じて出してもらえるというのは感謝すべきことかなと思います。チームの勝利が上がってこなかった時に、そこで助けられる準備をしていきたいなと思います」。二刀流・大谷の底知れぬ力を感じさせた。

【実際の動画】スライダーとスプリットが冴えなくても… 大谷翔平の粘投を支えたブレーキの利いたカーブの映像

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY