根尾は「スタメンのチャンスない」 中日立浪監督が明かす“遊撃再挑戦”の真相

中日・立浪和義監督【写真:小西亮】
中日・立浪和義監督【写真:小西亮】

自己採点は「ビシエドが打てない状態で貯金があるので100点」

 打撃成績は昨季を上回っている(表:22試合消化時点)。要因の1つが、練習時の約束事だ。立浪監督は「右打者ならショートからライト線、左打者ならセカンドからレフト線に打つことです。メリットはボールを長く呼び込めること。ただ、センターから逆方向という45度の意識だと、引き付けすぎてファウルにしてしまう。だから、少し範囲を広げて、引き付けて前で打つ。体を開いてポール際に引っ張るなんて、ただの自己満足です」と言う。

(2021年 / 2022年)
打率:.221 / .254
得点:56点 / 83点
本塁打:4本 / 16本
安打:158本 / 190本
四球:48個 / 62個
出塁率:.278 / .321

 この意識は、得点圏で役立つという。「まず、インサイドの難しい球と喧嘩しなくなります。あと、外野フライを打ちやすい。絶好機では犠牲フライも必要です。ずっとチャンスに弱いと言われていますから、根気よく1年間やります」と力説した。

 片岡篤史2軍監督との連絡も頻繁だ。「1軍野手の枠を考えると、外せない選手もいて、昇格のタイミングが合わない選手もいます。例えば、石岡(諒太)。本当は上げたかった。他にも推薦は何人もいます。2軍で頑張っている選手を上げて、モチベーションアップに繋げたいと考えています」と話した。

 ここまでの自己採点は「ビシエドが打てない状態で貯金があるので100点」としたが、すぐに表情を引き締めた立浪監督。「まだまだ自分がベンチから、ファンがスタンドから見ていて、強いかというと強くない。課題はたくさんあるし、若手のうまくいかない部分も多い。早く『ドラゴンズは強いな』とみんなに思ってもらえるようにしたい。課題は意識改革です。打席で何を考えるか。あと、守備のミスが多すぎる。意識で防げるミスもあるんです」と強調した。

 期待の若手に代打、弱気を見せたリリーフのベンチ外、ミスを犯した主力のスタメン落ちなど厳しい采配がある一方、必ず「やり返す場」を与える。それが“立浪竜”だ。今後、どんな戦いを見せるのか。秋までじっくり堪能したい。

(CBCアナウンサー 若狭敬一/ Keiichi Wakasa)
<プロフィール>
1975年9月1日岡山県倉敷市生まれ。1998年3月、名古屋大学経済学部卒業。同年4月、中部日本放送株式会社(現・株式会社CBCテレビ)にアナウンサーとして入社。テレビの情報番組の司会やレポーターを担当。また、ラジオの音楽番組のパーソナリティーとして1500組のアーティストにインタビュー。2004年、JNN系アノンシスト賞ラジオフリートーク部門優秀賞。2005年、2015年、同テレビフリートーク部門優秀賞受賞。2006年からはプロ野球の実況中継を担当。現在の担当番組は、テレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜12時54分~)「High FIVE!!」(毎週土曜17時00分~)、ラジオ「若狭敬一のスポ音」(毎週土曜12時20分~)「ドラ魂キング」(毎週金曜16時~)など。著書「サンドラのドラゴンズ論」(中日新聞社)。

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