大谷翔平から感じた完全復活の「いい兆し」 301日ぶり逆方向弾&速球撃ち

4号ソロを放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】
4号ソロを放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

屋外フリー打撃後は14打数6安打の打率.429と復調

■エンゼルス 5ー1 Wソックス(日本時間30日・シカゴ)

 エンゼルス・大谷翔平投手が29日(日本時間30日)、完全復活を予感させる4号本塁打を放った。敵地・ホワイトソックス戦に今季初めて「4番・指名打者」で先発出場。初回の第1打席で11試合ぶり4号ソロを叩き込んだ。5打数2安打1打点、3得点1盗塁と躍動し、チームの今季最長6連勝に貢献した。

 ひと昔前の大谷っぽいアーチが描かれた。1点リードの初回2死。高々と舞い上がった打球は左中間最前列へ消えていった。11試合47打席ぶりの4号ソロ。ゆっくりとホームベースを踏むと、野球の神様に感謝するかのように両手を軽く上げて天を仰ぐポーズ。その後は茶目っ気たっぷりに笑顔を浮かべた。

 中堅から左翼方向への一発は今季初めて。過去の本塁打を振り返ってみると、月間MVPを受賞した昨年7月2日(同3日)の本拠地・オリオールズ戦以来301日ぶりの“逆方向弾”だった。大谷と言えば日本時代から広角へ大きな打球を飛ばせるのが魅力。マドン監督は「中堅方向に強い打球を打ち返す時は、いい兆しということ」と大きくうなずく一発となった。

 昨季から練習量をセーブしている大谷が珍しく屋外でフリー打撃を行ったのは26日(同27日)。バックスクリーン右への推定140メートル弾が目を引いたが、ボールを引きつけて打った左翼への柵越えも数本あった。屋外フリーについて、「打てる時は打ちたいなと思います」と大谷は語っていたが、そのフリー打撃後の3試合は14打数6安打の打率.429。中堅方向の快音が5本とセンター返しが目立っている。

 復調を感じさせるのはそれだけではない。本塁打にしたのは右腕・ジオリトの93.1マイル(約149.8キロ)のフォーシーム。高めのストライクゾーンぎりぎりを捉えた。短縮キャンプの影響からか、試合前までフォーシームには今ひとつ。打率.219で球種別では最多8三振を喫していたが、この日は力負けせずに打ち返した。指揮官は「間違いなく彼はいい状態のようだった。心の中でどう感じていたかまでは、私には分からない。だが本当にいい状態だと感じた」と目を細めた。

 投手で2勝目を挙げ、今季初の3安打を記録した27日(同28日)の試合後、大谷は「みんな調子がいいので、そこに救われている部分はありますけど、もっともっと貢献できる部分はあると思う。もっといい打席が増やせればなと思います」と語っていた。チーム104得点はメジャートップ。好調な打線に後押しされ、大谷も軌道に乗り始めた。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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