鷹・三森大貴の成長は“防御”にあり? 長谷川勇也打撃コーチによる興味深い分析
データ面にも表れている三森の“守り”の成長ぶり
その“守り”の面で今季は成長が見られるという。狙い球ではないボールが来た場合にファウルで粘ったり、簡単に凡打を打たず、チャンスが来る可能性をより広げられている。長谷川コーチも「攻撃と防御をバランスよく使っていると思います。防御が上手くなったので、より思い切り攻められる。攻めのミスがOKになってきている。空振り、ファウルをしても防御できるようになってきたから大丈夫っていう安心感の中でできている。相乗効果ですね」と説明した。
実際に三森の成長はデータ面にも表れている。セイバーメトリクスの指標などで分析を行う株式会社DELTAのデータを参照すると、三森は今季、打席数に対しての四球の割合が昨季の3.2%から8.1%に上昇。まだリードオフマンとしては高いとは言えない数字だが、成長が見てとれる。さらに打席数に対しての三振の割合を示す「KK%」も22.3%から16.2%へと減っている。
また、ストライクゾーンの外のボールに手を出す確率を示す「O-swing%」は41.5%から33.2%へと減少。ゾーン内のボールに手を出す確率も減っているが、ゾーン内のボールをバットに当てる「Z-Contact%」は83.0%から87.3%に上昇。空振りでのストライク率も減少しており、至るところに長谷川コーチの言う“防御”の成長が表れている。
2日現在でソフトバンクのチーム打率.257は12球団トップの数字を残す。なかなか肝心なところであと1本が出ず、打線が繋がらないもどかしさはあるものの、好調な打線とそれを引っ張る三森の成長はここまでの大きな収穫と言える。攻撃と防御を兼ね備え始めた鷹のリードオフマンのこれからにも期待をしたい。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)