試合を分けた「首を振って投げた球」 DeNAの“2年連続勝ち頭”が初勝利できたワケ

DeNA・大貫晋一【写真:中戸川知世】
DeNA・大貫晋一【写真:中戸川知世】

初回無死一、三塁のピンチ…相棒は先制点献上を覚悟

■DeNA 7ー1 中日(4日・横浜)

 昨季まで2年連続でチーム勝ち頭だったDeNAの大貫晋一投手が4日、本拠地・横浜スタジアムで行われた中日戦に先発し、6回2安打無失点に抑えて今季5試合目にして初勝利を挙げた。チームも連敗を4で止め、リーグ5位から反転攻勢へ態勢は整いつつある。

 初回が勝敗の分かれ目だった。1番・鵜飼に二塁打を浴び、2番・岡林の送りバントは二塁手・牧の一塁ベースカバーが遅れて内野安打に。いきなり無死一、三塁のピンチを背負い、マスクをかぶる嶺井博希捕手は「なんとか最少失点で切り抜けたい」と先制点を献上することは覚悟した。

 しかし、大貫はここから粘りに粘る。売り出し中の3番・石川昂に対し、初球に内角低めのスライダー、2球目にも内角いっぱいの144キロのツーシームを投じ、見逃しストライクを2つ取る。そして3球目、内角低めに落ちる140キロのスプリットを振らせ、見事なインコース攻めで3球三振に仕留めた。「先頭打者に出塁を許して内心焦りましたが、ミーティング通りのピッチングができました」と振り返る。

 その後は4番・ビシエドを投ゴロに打ち取ったものの、5番・阿部に四球を与えて2死満塁と窮地は続く。ここで迎えた打者は、昨季9打数6安打、対戦打率.667と苦手にしていた高橋周だった。カウント1-2と追い込み、6球目に外角高めのボール球のストレートを見せた後、7球目にボールゾーンから左打者の外角低めに切れ込む“バックドア”のスライダーで見逃し三振。無失点でしのぎ切った。

 捕手の見事なリードと思いきや、嶺井は「(サインに)首を振って投げた球です。もう少し甘かったら結果は違っていたと思いますが、大貫が(ストライクゾーンいっぱいのコースに)投げ切ってくれた」と明かした。

好不調のバロメーターは「両コーナーにきっちり投げ分けられるか」

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