試合を分けた「首を振って投げた球」 DeNAの“2年連続勝ち頭”が初勝利できたワケ

好不調のバロメーターは「両コーナーにきっちり投げ分けられるか」

 三浦大輔監督は以前から、大貫の好不調のバロメーターは「両コーナーにきっちり投げ分けられるかどうか。特にインコースをつけているか」にあると見ている。この日の大貫は不安な立ち上がりにも、自分の両コーナーへの制球を信じ、投げ切ることができたわけだ。

 初回に絶体絶命のピンチを切り抜けた後の大貫は、2回から6回まではスイスイ。許した走者は死球による1人だけ。「リズムに乗ることができました」と会心の笑みを浮かべた。味方打線も4回の嶺井の先制1号2ランをはじめ7得点し、中日に快勝した。

 そもそも、今季過去4試合で勝ち星がなかった大貫だが、初登板の広島戦で4回7失点KOを喫した以外は、全3試合でクオリティスタート(先発して6回以上を投げ自責点3以下)を果たしていた。内容は決して悪くなかったが、勝利投手の権利を持って降板した後にリリーフ陣が打たれたり、最終投球回に味方のエラー絡みで同点に追いつかれたりと、勝ち運を引き込めずにいた。だからこそ、初回のピンチを無失点で切り抜け、相手に流れを渡さなかったことは非常に大きかったと言えそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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