野手のエラー消す“粘投” 25回無失点の西武・高橋光成が発するエースの「責任感」

最速152キロのストレートと冴える高速フォーク

 打線の援護もなく5回までは両軍無得点。6回の攻撃でようやく、1死満塁から外崎が先制の右前適時打。中村も押し出し四球を選び、7、8回にも加点した。高橋は試合後、外崎とともにお立ち台に上がり、「りんごつながりですかね」とおどけた。高橋の実家は群馬県沼田市、外崎の実家は青森県弘前市でりんご農園を営んでおり、りんごが取り持つ“絆”を強調したのだった。

 前回登板した4月29日のオリックス戦でも8回無失点の快投を演じながら、味方打線が1点も取れず、9回に平良が打たれサヨナラ負けを喫している。辻発彦監督は「だから今日こそ早めに点を取ってあげたかったが、相手に投手にいいピッチングをされ、3つもエラーをして光成の足を引っ張ってしまった。それでも粘ってくれた光成に感謝ですよ」と称賛。「野手には今後、どんどん打って光成を助けてあげて、借りを返してほしい」と話した。

 これで今季の高橋は3勝2敗、防御率1.50。この日も最速152キロを計測したストレートを軸にしつつ、それに頼りすぎることなく、140キロ台の高速フォーク、スライダー、カーブを駆使して抜群の安定感を誇る。

 辻監督は「再三のピンチにも点をやらずに粘れたのは、エースとしての責任感でしょうね」と評した。昨季最下位からの巻き返しを期す西武は、今季17勝16敗1分で“貯金1”とし3位につけている。軸がしっかりしているチームは強い。これからまだまだ上を狙う。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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