燕の主砲と鯉のエースに最高評価 セイバーメトリクスで選ぶ3、4月のセ月間MVP

ヤクルト・村上宗隆【写真:小林靖】
ヤクルト・村上宗隆【写真:小林靖】

4月末の首位は圧倒的打力の巨人、広島が好調投手陣の力で食い下がる

 スタートダッシュに成功した選手をデータで探り出し、3、4月の「月間MVP」をセイバーメトリクスの指標で選出してみる。選出基準は打者の場合、得点圏打率や猛打賞の回数なども加味されるが、基本はNPB公式記録を用いる。ただ、打点や勝利数といった記録は、セイバーメトリクスでは個人の能力を如実に反映する指標と扱わない。そのため、セイバーメトリクス的に個人の選手がどれだけチームに貢献したかを示す指標で選ぶと、連盟が選ぶ月間MVPとは異なる選手が選ばれることもある。

まずは3、4月のセ・リーグ6球団の月間成績を振り返る。

巨人:20勝11敗
打率.253、OPS.727、本塁打35
先発防御率3.06、QS率67.7%、救援防御率3.30

広島:16勝12敗1分
打率.255、OPS.652、本塁打10
先発防御率2.62、QS率75.9%、救援防御率4.46

ヤクルト:15勝12敗
打率.229、OPS.659、本塁打26
先発防御率3.80、QS率55.6%、救援防御率2.55

中日:13勝13敗
打率.251、OPS.682、本塁打17
先発防御率3.56、QS率50.0%、救援防御率2.85

DeNA:10勝15敗
打率.242、OPS.659、本塁打18
先発防御率4.37、QS率44.0%、救援防御率3.72

阪神:9勝20敗
打率.227、OPS.619、本塁打23
先発防御率3.49、QS率43.3%、救援防御率3.71

 圧倒的な打撃力で首位を走っているのは巨人。本塁打35本、OPS.727は群を抜いている。広島は本塁打が10本と最も少ないが、得点圏打率.310が示すようにチャンスでの集中打で得点を稼ぎ、得点121はリーグ2位だ。さらに先発投手の貢献も大きく、先発防御率、QS率ともにリーグ1位。また、先発投手による打点が9もあり、その中で森下暢仁投手は打率.357、OPS.929、5打点、得点圏打率.500と打撃でも大きく貢献している。

 中日は2021年の本塁打率(本塁打1本に要する打数)が73.5と、最も本塁打が少ないチームだったが、今シーズンはここまで51.5と改善している。そしてファンの間で話題となっているのが「ミラクル8」だ。8回に多くの得点を入れていることによるもので、実際に8回の得点確率は38.5%と、約5試合に2回の割合で得点が入っていることになる。さらに4回の得点確率も38.5%。ただ7回の得点確率が7.7%でいわゆる「ラッキー7」がない状況となっている。ちなみに他チームでも、極端に得点が入りやすい「特異イニング」が見受けられ、次のような例が挙がる。

巨人の4回の得点確率 45.2%
広島の6回の得点確率 41.4%
DeNAの9回の得点確率 42.9%

データが示す「最もチームに貢献した打者」は村上宗隆

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