佐々木朗希が驚異の数値、楽天・西川は長打力も発揮 セイバー指標で選ぶパ月間MVP

西武・山川穂高(左)と楽天・西川遥輝【写真:荒川祐史】
西武・山川穂高(左)と楽天・西川遥輝【写真:荒川祐史】

長打力も発揮した楽天・西川、14試合欠場も好成績の西武・山川

【打者部門】
 打者評価として、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりも、どれだけその選手が得点を増やしたかを示す「wRAA」を用いる。

wRAA=(wOBA-リーグ平均wOBA)/1.24×打席

wOBA={0.69×(四球-敬遠)+0.73×死球+0.97×失策出塁+0.87×単打+1.33×二塁打+1.73×三塁打+2.07×本塁打}/(打数+四球-故意四球+死球+犠飛)

 各チームのwRAA上位2人は以下の通り。

楽天:西川遥輝14.31、浅村栄斗8.38
ソフトバンク:中村晃7.23、三森大貴6.58
オリックス:吉田正尚10.59、安達了一2.38
西武:山川穂高11.56、オグレディ3.26
ロッテ:山口航輝10.47、中村奨吾2.18
日本ハム:松本剛7.86、近藤健介4.92

 14試合に欠場した山川は月間58打席だったが、本塁打8本、OPS1.335、wRAA11.56と大きく貢献した。山川が出場した15試合は10勝5敗、欠場した14試合は3勝10敗1分で、山川への依存度が高いことを示している。

 3、4月で最もwRAAが高かったのが楽天の西川遥輝だった。1番打者としてOPS1.079、本塁打5本、長打率.607は群を抜いており、規定打席数到達者の中でも最も良い成績である。元来の選球眼に加えて強い打球が増え、長打力を発揮した。浅村栄斗とともに楽天のスタートダッシュに大きく貢献した西川遥輝を3、4月の月間MVPパ・リーグ打者部門に選出する。

鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。

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