大谷翔平「感じは悪くない」 マドン監督と米記者が感じ取る復調の兆しとは?
マドン監督「フライがたくさん出る。それはいいこと」
■エンゼルス 5ー4 ナショナルズ(日本時間9日・アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手は8日(日本時間9日)、本拠地でのナショナルズ戦でチームのサヨナラ勝ちに繋がる同点の2点適時二塁打を放った。「3番・DH」で出場すると、2点を追う9回の第5打席で起死回生のフェンス直撃の2点二塁打。この一打は大谷の復調を感じさせるものだった。
劇的な一打は2点を追う9回2死一、三塁で生まれた。右腕レイニーのスライダーを捉えて左中間へ。打球はフェンスに直撃。あと少しで逆転サヨナラ弾という当たりで、2人の走者が生還して2点適時二塁打になった。同点に追いつき、大谷も二塁上で雄叫びをあげた。さらに、続くレンドンの中前打で二塁から一気にサヨナラのホームへ生還し、ガッツポーズで勝利を喜んだ。
この日は5打席に立ち、4打数1安打1四球。打率はまだ.235と低調ながら、その打球には復調の兆しが見える。試合後、ジョー・マドン監督は「あちら(逆方向)側のほうが少し(打球が)高い。フライがたくさん出る。それはいいことだ。無理に引っ張ったりするのは彼のやり方じゃない。彼がしていること(逆方向に打っていること)を私は気に入っているよ」と、それを感じ取っている。
大谷の打球の変化については、地元紙「オレンジカウンティ・レジスター」のエンゼルス番ジェフ・フレッチャー記者も指摘している。フレッチャー記者は、この日の試合前に自身のツイッターで「ショウヘイ・オオタニについて私が調べていたのがこちら。左側が前回の遠征開始時からの打球方向のヒートマップ。右側がそれ以前」と綴り、2枚のヒートマップを紹介している。
エンゼルスは4月29日(同30日)のホワイトソックス戦から遠征に出ており、ヒートマップはその前後での打球の方向を表したもの。遠征に出る以前は中堅から右翼方向に打球が偏っていたものの、遠征に出てからは中堅から左翼方向へ打球が飛ぶ傾向が出ている。明らかに逆方向の打球が増えていることが分かる。
大谷の状態が上がってくると、逆方向へのホームラン、飛球が増える傾向にある。その兆候が出始めており、この日の試合後に大谷も「ここ数試合は感じ的には悪くない。いい感じの打球も上がってますし、あともうちょっとかなという感じなので。少し我慢が必要かなと思います」と語っている。徐々に上がってきている大谷のバッティングの状態。日米を熱狂させるアーチ量産の時まで、もうあと少しだ。