球児が憧れる舞台も「実はあんまり…」 元阪神・井川慶が語る“聖地”のマウンド

阪神、オリックス、ヤンキースでプレーした井川慶【写真:槌谷綾二】
阪神、オリックス、ヤンキースでプレーした井川慶【写真:槌谷綾二】

生涯年俸は約34億円とも言われるが…練習方法は夜中に壁当て

 阪神、オリックス、ヤンキースでプレーし日米通算95勝をマークした井川慶投手。タイガース時代にはエースとして活躍し、沢村賞など数々のタイトルを獲得し黄金期を支えた左腕だ。筆者は4月下旬に行ったFull-Countのインタビューを担当したが、現役時代と変わらない“井川ワールド”全開の受け答えに心は吸い込まれていった。

 2017年を最後にマウンドから遠ざかっているが、井川氏は「あと1年、投げたい思いがあるんですよね」と満面の笑みを浮かべ現役引退を否定する。コロナ禍もあり、ここ2年間は思うような練習はできていないが、自宅付近の公園などでランニング、壁当てなどで体は動かしているという。

「明るい時に練習すると色々と人の目を気にしないといけないので……基本は夜中ですね。器具がなくても自重トレーニングで色々とできますよ。少しずつですが、投げられる体を作っていきます」

 ヤンキース移籍の際に手にした大型契約と阪神、オリックスで稼いだ生涯年俸は約34億円と言われている。その男が、夜中に壁当て……。もう少し、他に方法がありそうだが「いやぁー、これで十分。昔はこうやって皆、野球を楽しんでいたでしょ? これまで野球は仕事で勝負ありき、最後は楽しんでやりたいんです」と井川氏は笑う。

甲子園のマウンドは「実はあんまり好きな球場じゃない、遠近感が掴みづらい」

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