「またパ・リーグが優勢」な交流戦…それでも評論家が指摘する“阪神浮上”の可能性

2018年の燕はセ最下位→交流戦優勝→リーグ2位でフィニッシュ

 ただ、だからこそ、セ5位に低迷するDeNA、最下位の阪神にとっては、交流戦が大チャンスになりうる。野口氏が1軍バッテリーコーチを務めた2018年のヤクルトが、まさにそうだった。リーグ最下位で突入した交流戦で12勝6敗(勝率.667)をマークし優勝。リーグ順位を一気に2位まで上げた。というのも、この交流戦で勝率5割以上のセ球団はヤクルトのみ。他のセ球団は、8勝10敗で7位の巨人を筆頭に下位に集中した。結局ヤクルトはこのシーズンを2位で終えている。

 もちろんチャンスは全12球団にあるが、交流戦にはこのように同一リーグ内の順位を大きく変動させる可能性がある。「運次第ですが、相手の先発ローテとの巡り合わせで、好調の相手先発投手をスイスイと回避し、優位に戦っていくチームが現れるかもしれません」とも。

 開幕9連敗で大きく出遅れた阪神にとしては、巻き返しへ千載一遇のチャンスと言える。実際、新型コロナウイルス陽性で開幕投手を緊急回避した青柳も、リーグトップの防御率1.09をマークし、同2位の2.11の西勇とともに好調。4番に定着しつつある佐藤輝も9本塁打を量産しており、交流戦で“独り勝ち”を狙える態勢を整えている。「あとはチーム打率がリーグワーストの.229ですから、打線全体で交流戦までにどこまで調子を上げられるか」と野口氏。“ボーナスポイント”ありの戦いが控えている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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