西川遥輝に日本記録更新の期待も 補殺連発の理由は「狙い」抜群の“究極送球”
19日までに補殺8個は12球団外野手のトップ
今季楽天に移籍した西川遥輝外野手が、12球団の外野手補殺ランキングを独走している。19日までに8個を記録し、これは2位の3倍近い数字だ。まだシーズンの1/3も消化していないことを考えると、シーズン日本記録「24」の更新まで見えてくる。
補殺は送球で走者をアウトにしたケースに記録され、外野手はシーズン10個もあれば「強肩」と見られる。昨季パ・リーグのトップは杉本(オリックス)の11個だった。現在パ・リーグ2位は“爆肩”で知られる万波(日本ハム)らの3個。セのトップも楠本(DeNA)らの3個だ。
楽天はまだ39試合しか消化しておらず、シーズンの1/3にも達していない。その中での8個は、単純計算すれば1950年に平山(大洋)がマークした日本記録の24個や、リーグ記録となる1954年の日下(近鉄)の23個、さらに近年では出色の数字と言える1989年の平野(西武)の21個、2012年の中田(日本ハム)の19個に迫る可能性を残している。
ただ、西川は決して地肩が強いとは言えない。内野手として2012年に日本ハム入りし、入団早々の故障もあった。過去、外野手としての補殺が最も多かったのは、左翼手として定位置をつかんだ2016年の6個だ。では、なぜ今季は数字を大幅に伸ばせているのかといえば、経験と判断力に答えがありそうだ。
例えば4月8日の日本ハム戦、3回1死二、三塁から野村の左中間へのフライを捕球すると、二塁走者の上野が三塁に向かったのを見逃さなかった。すかさず三塁に送球しアウト。7-5の併殺を完成させた。制球の良さも光る。
実は、平山の日本記録も、本塁へのバックホームで刺したケースは4つしかなかったという。今後高まるであろう警戒を潜り抜け、守備範囲の広さと経験を生かした「記録更新」はなるだろうか。
(Full-Count編集部)