鈴木誠也“ミッション”果たした二塁打 129勝左腕の内角を躊躇なく引っ張ったワケ

カブス戦に先発したDバックスの マディソン・バムガーナー【写真:Getty Images】
カブス戦に先発したDバックスの マディソン・バムガーナー【写真:Getty Images】

選手に出された「左方向狙い」を忠実に実行した

 試合前の打者ミーティングでは、「左方向狙い」の指示が出ていた。2回に内角速球を左翼スタンドへ運ぶ先制の3号ソロを放った5番のシュウィンデルが、好投手攻略法についての一端を明かした。

「試合前にみんなでデータを確認したんだ。右打者の安打のチャートからは引っ張ったものが多いという傾向がはっきりと出ていた。徹底的にそこに付け込んで最初から飛ばしていこうという指示はあったよ」

 6番のウィズダムも内角速球を迷うことなく振り抜きチームトップの8号ソロで続いた。シュウィンデルが言うように、カブスが3回までに放った2本塁打を含む5安打のうち4本が左方向へのもので、いずれも右打者が放っている。対峙する投手の事前情報はあまり入れないとこれまで話してきた鈴木も、今季8登板で防御率2.29と安定するバムガーナーを崩すデータを無視することなく、1本に結びつけた。

 もっとも、百戦錬磨の左腕が簡単に沈むことはなかった。中盤から配球を変えて4回から降板する7回までを無失点で切り抜けた。鈴木も6回の第3打席では内野ゴロに打ち取られた。

 試合は延長戦に突入。10回に3点のリードを許したチームは、その裏2点を返してなおも2死二塁のチャンス。鈴木に5打席目が回ったが、14日(同15日)の初対決で安打を放った通算252セーブのメランソンに空振り三振を喫して敗戦。チームは4連敗で借金は今季ワーストタイの9となった。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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