DeNA打線に見える「変化」 球団OB・齊藤明雄氏が語る“日本一打線”に似た特徴とは
ファンの応援に感じる変化「温かい目で見守ってくれる」
投手陣のカギを握るのは、やはりエースの今永だという。故障を経て5月6日の広島戦で復帰した左腕は、続く17日の中日戦で今季初勝利を完封で飾った。「今永は点を取られても3点以内、ゲームを壊さないピッチングをしてくれるという信頼がある。周りの人がみんな、今永が軸だと認めていますよ」と語る。
DeNAはここ数年で横浜の“風景”として根付き、本拠地の横浜スタジアムには多くのファンが集まる。コロナ禍により無観客開催をしていた当時、齊藤氏は改めてファンの大切さを感じたようだ。
「声援が選手を奮い立たせる。選手はもちろん、解説をしている我々も、無観客試合だった時はファンの有り難みを実感しました。今年から人数制限はなくなったけれど、ファンの方もなかなか声を出せないもどかしさがあるでしょうね。声が出せるようになったら、もっと盛り上がるはずですよ」
時代の流れもあり、声援の内容は少しずつ変化している。「我々の昭和の野球は自軍のファンにも野次られました」と振り返りながら笑うが、当時は「野次」が「叱咤激励」にも繋がった。
「我々は野次られても『なにくそ』と思ったけれど、令和の野球は優しい。もう少し厳しくてもいいかなと思うこともありますが、ファンの方は温かい目で見守ってくれる。昭和とは変わってきましたね(笑)」
チャンスがあれば再びコーチとして現場復帰したい気持ちもあるという齊藤氏。「ヒゲの齊藤さん」がグラウンドに戻ってくる日を待ちわびるファンも多そうだ。
(佐藤直子 / Naoko Sato)